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「百聞は一見にしかず」と、旅が教えてくれる。

少し前にフィリピンのセブへ行ってきました。

僕はフッ軽(フットワークが軽い)な方なので
思い立ったらフラッとどこへでも
行っちゃうタイプです。

そこに「仕事」「プライベート」という
明確な線引きはなく、
そしてこれといった目的が
あってもなくても行きます。

旅に出る理由は、旅に出てから
見つかったりするのですから。

さて、旅の話をしますか。
セブはフィリピン第二の都市なので
なかなか街は栄えています。

今回はセブにある「ITパーク」という
エリアを中心に視察。

宿泊はITパークからグラブ
(ウーバータクシーを買収した企業)
で30分くらいのマクタンニュータウンという
新興住宅地のコンドミニアムにしました。

ITパークはIT産業を振興するために
フィリピン政府が指定した経済特別区です。

セブと聞くとビーチリゾートのイメージが
強いかもしれませんが、それはごく一部。

そもそもフィリピン第二の都市なので
そこには産業も生活もあって当然。

フィリピンは2012年に人口が
1億人を突破していて
(ベトナムは2023年に突破)
アジアでも特に勢いのある国なんですよね。

ITパークは実にキレイな都市なのですが
実際に過ごしてみると、都市開発と貧困が
隣り合わせに進行していることが
わかります。(首都のマニラもそうでした。)

例えばITパークの繁華街を
おしゃれして闊歩している若者の家が
スラム街にあるバラック小屋だったり

新しいエリアがどんどん開発されても
それらを繋ぐ交通インフラが追いつかず
慢性的な渋滞が起こっていたりと
至る所で歪みが起こっているのです。

マニラ首都圏の渋滞による
経済損失は1日93億円、年間3.4兆円と
言われています。

もちろん、このような状況は
フィリピンに限らず、開発途上国では
よくある話かもしれません。

ただ、いざ目の当たりにすると
あらためて感じるところがありますよね。

象徴的だったのは
宿泊したコンドミニアムが
まだ築10年にも関わらず
ところどころ不具合が
生じていたことです。

開発するだけしても
それを維持管理する
体制が不十分なのかもしれません。

僕が泊まった部屋の鍵がかからなくて
スタッフを呼んだのですが
鍵を一つ直すのに
3人の男性スタッフがやってきたのです。

1人が作業し、他の2人は見ているだけ。
労働力が余っているのでしょう。

だから、若者たちは活路を見出すために
語学を勉強して海外を目指す人も多いのです。

彼らが海外で就くことができる仕事も
ほとんどが単純労働で、結局は
数年以内に戻ってきてしまうとか。

そんなこんなの事情を
現地に詳しい友人から聞いたり
実際に目の当たりにしました。

ITパークにしてもマクタンニュータウンしても
手放しに「便利でキレイでいい街だね」って
言えなくなってしまいました。

旅で感じた違和感、見え隠れする
綻びなどが今回の旅の収穫となりました。