「海外でビジネスを展開したい」という
相談をたまに受けることがあります。
財務屋(新しい言葉)の立場として、
やろうとしているビジネスの
事業性については一通りのアドバイスを
することはできます。
それよりも大事なことは、
「その国が大好き!」という
揺るぎない信念や思い入れだったり
するのではないでしょうか。
例えば、
「どこでもいいから海外で
ビジネスをしたい!」と思って
入念なリサーチ。
解像度の高い収支計画をたてて、
いざ事業をスタートさせたとします。
開業時こそ現地に足繁く通って
あれこれ指示を出したり、
手を動かしたりするでしょう。
しかし、うまいこと事業が軌道に乗り
売上が立つようになったら
後は現地のスタッフに任せて
遠隔操作っていうのは
よくあるパターンです。
これが国内ならまだなんとかなるかも
しれませんが、海外を甘くみては
いけませんよ。
所変われば品変わる、というように
場所が変われば、人の習慣や考え方
価値観などが変わってきます。
経験的に「きっとこうだろう」と
思っていることが、あっさりと
成立しないということもあるのです。
旅行者としてその国と関わるのであれば
価値観の違いを楽しむことができます。
しかしビジネスである以上、
価値観を擦り合わせて人の管理
お金の管理をしっかりとやらないと
取り返しのつかないことになります。
そもそも、なぜわざわざ海外で
ビジネスをやろうと思うのか。
海外展開という実績がかっこいいから?
それとも労働単価の恩恵にあやかって
儲けたいのか?
でもそれって漠然としていませんか?
その国が本当に好きならば、
誰に頼まれなくても、自らが
当事者意識を持って
ビジネスに深くコミットしますよね。
行ったり来たりの二重拠点生活になるか、
あるいはビザを取得して移り住んで
しまうかもしれません。
海外でビジネスをするということは
そういうことなんです。
海外でビジネスをやろうとしている方は
まずその国が大好きかどうか
自分自身を厳しくジャッジしてみては?