「解像度を上げる」って言葉は、
ビジネスの現場でよく聞かれますよね。
業務の中で曖昧さをどんどんなくし
思考や計画を緻密にしていくプロセス。
ポジティブなものとして
歓迎されていますが
僕の中では前々から
もやもやしているのも事実。
解像度を上げるということは
見えてないものまで見えてくるわけで
情報量も増えるし考えることも増える。
なんだかビジネスを失速させて
しまうような気がするんですけど……。
例えば、社長が現場を知るために
足繁く現場に通って、社員の声を
ヒアリングするとします。
社長室にいて報告を受けているだけでは
わからないことも見えてきて。
なんだったら社員の心の内まで
知っちゃったら、社長としては
今までのようにのびのびと采配を
振るうことができなくなりますよね。
同じことが実は僕にも言えるわけで
クライアント企業の内情や
社員の本音など
細かい部分を知ることになると
情が移ってしまいます。
プロとしての第三者目線で
最善策を導くことが
できなくなってしまいます。
僕が向き合わないといけないのは
あくまで数字です。
数字を見て(現状把握)、
数字から探り(問題点を見極める)、
数字によって解決していく(改善策を導く)
ことが僕の仕事です。
解像度をあげて、社員の心の機微まで
拾ってしまってはダメなんですよ。
もちろん事業内容や社員の心の機微を
無視しているわけではありません。
でも、そこと向き合うのは僕ではない。
そこはやはり社長が向き合うべきところで
逆に言うと、当事者意識を持って
向き合えるのは社長しかいないってことです。
財務コンサルタントは蚊帳の外でいいんです。
第三者だからこそ見えることや
気付くことがあるので
そこにとことん向き合います。
数字で会社を良くしていくことが
僕の仕事ですから。