事業計画書を立てる際には、
当然ながら役員報酬額も考えたりします。
…ここ、悩むところなんですよね。
利益が出ると見込んで
強気に設定するのは
ちょっとこわいけれど
かといって低く設定して
自分(と家族)の生活水準が
下がるのもいやだし……
これは経営者あるあるの葛藤でしょう。
わかりやすく役員報酬の設定を
例に出しましたが
その根底にあるのは、
「とにかく赤字を出したくない」っていう
気持ちだと思います。
それもそのはず、赤字って、いかにも
イメージが悪いですよね。
世間体も悪いし、社長にしてみたら
自分の力不足が如実に数値として
あらわれているってことなので
自己肯定感が低くなってしまいます。
でも、赤字ってそんなに悪いものです?
「え、稲田さん、何を言っちゃっているの?」
って思うかもしれませんが、僕は
“プロセス”としての赤字はありなのかなと
思う時もあります。あまり大っぴらには
言えませんが。
だって、赤字を恐れるがあまり、事業計画が
守りに入ってしまい、結果として
社長も社員も萎縮してしまうのは
なんだかもったいないと思いません?
そう思いはじめたのは実は最近で
僕はかれこれ10年近くこの仕事をしていますが
なんだか最近、事業計画を立てる際の
僕の提案が保守的になっているな、と
感じたからです。
財務顧問という立場上、お客様の会社が
赤字になることだけは避けたいので
どうしても計画が保守的、かつ
短期的になってしまうんですよね。
目先の利益や納める税金のことばかり気にして
つまらない提案ばかりしているな、と
時々思います。
このようなスタンスは、財務顧問である僕に
期待されているものでもあるかもしれませんが
中には冒険したい社長もいるはず。
時代の先を見据えて、5年後10年後に
会社が大きく成長している
ビジョンが見えているのならば
そこに向かう過程で一時的に赤字になることも
厭わないのではないか。
そんな風に考えるようになりました。
実際に大企業であっても、一時的に
赤字を出しているところはあるんですよ。
それは思い切って大きな投資や
変革をしたからです。
そしてそのようなところは、その後
大きく飛躍している場合が多いんですよね。
保守的=つまらない
ということでもないかもしれませんが
僕はもう少し社長の見ている先
思い描いているビジョンに心を重ねて
それを一緒に育てていくような
関わりをしてもいいのかなと
思ったりもしています。
せっかくの芽をつぶすようなことだけは
避けたいですから。
え、赤字を出してしまったら
銀行からお金を借りれないって?
そんなことないですよ。大丈夫です。
しっかりとした事業計画があれば
銀行は信用してくれます。
その事業計画書が十分に信用できる
ものであれば、一時の赤字で
会社の将来を判断はされません。
結論、事業計画書はいざという時に
味方になってくれるので、ぜひ作成を!