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引退はタイミングが9割!?vol.1 〜会社の価値を最大化する事業承継

僕は顧客である社長さん達に対して
「長期的なビジョンを持っていますか?」
と質問しています。

しかし、その質問の前に、
「いつごろ引退するの?」という
課題についても触れないといけません。

「長期的」というのは、つまり
自分の引退までという
考え方もありますからね。

結論から申し上げると、
日本の社長の引退時期は遅すぎます。

帝国データバンクによると、
2024年時点で
日本の社長の平均年齢は60.7歳。

統計として遡れる1990年から
毎年上昇が続いており、
34年連続で過去最高を更新だとか。
(ちなみに世界平均は53歳。)

次期社長である息子に
代表の席を譲らず
自分が社長の椅子に鎮座している
高齢の社長さんがたくさんいます。

もちろん高齢であっても、頭がクリアで
変化に対して柔軟な姿勢で
あればいいんですよ。

しかし、これだけ流動性が高く、
技術革新がめざましい時代においては
リアルタイムに自分の知見を
アップデートすることは至難の業です。

それが高齢ともなるとなおさらでしょう。

とまあ、このように
年齢による感覚のズレは問題ですが
いつまでも社長で居続けることは
企業にとって最大のリスクです。

次期社長(おそらく息子)の
ピーク時の能力を無駄にしてしまうことです。

考えてみてください。
俗に言う「働き盛り」って何歳ですか?
気力も体力も有り余るほどあり、
フットワークが軽く、思考も柔軟で
変化に対してポジティブな時期って、
おそらく50代60代ではないはずです。

その「働き盛り」の時に、
親の監視下にあるがゆえ
成長できないのは本当にもったいない。

役職を譲り、裁量を持たせると
人は思わぬ才能を発揮し、
大きく成長するのですから。

ある著名なIT企業の社長は、本当に
若くして社長業を引退し、
その後は自分の“やりたい”ことをやるべく
趣味とも言えるその活動を
新たに事業化しました。

この社長の早期引退の理由としては
自分のやりたいことを
やるためでもありますが、
もう一つの大きな理由として
「俺がやるより、若い子が
やった方が会社が伸びる」
と判断したからだそう。

おそらく彼には、会社=自分のもの
という意識がないのでしょう。
(それが正しいのですが。)

会社という法人を自分と切り分けて
会社の成長を本気で考えているからこその
勇退だったのだと思います。

そもそも人事の基本は「適材適所」です。
それは社長も例外ではないはず。

ポジションごとの最適解をフラットに考えて、
今この会社の社長職に相応しいのは
一体誰なのかを判断してみるべきです。

その上で、「やっぱり俺だな」と
思うのであれば
引退するには時期尚早かもしれません。

少しでも「俺以外の人間がいいのかも」と
思うのであれば引退を選択するのも
ありなのではないでしょうか。