いつからか、車に乗車した際の
シートベルトの着用義務が
厳しくなりましたよね。
運転席や助手席はもちろんのこと
後部座席もその対象となっており、
要は車に乗ったらどこに座っても
シートベルト着用!ってことなんです。
そんなことはわかっています。
でも、僕はどうもあの締め付け感が
苦手で、自分が運転するのではなく
タクシーの後部座席に乗った際などには
ついつい着用を怠ってしまうのですよ。
だめですよね。わかっているんです。
先日、とあるお客様とタクシーに
同乗した際に、やはりいつものように
シートベルトを着用しないで
後部座席に座りました。
お客様はカチッと締めています。
僕がしていないのを見て、その方は
「だめですよ、稲田さん!」とお咎めが。
僕は「いいじゃないですか、だって
努力義務ですよ。高速ならしますが、
ここは一般道だから注意されたとしても
切符は切られないですよ」と。
持論(それも間違っているのですが)で
反論しました。
そうしたら、
「何を言ってるんですか!
そういうことではなく
事故にでも遭って稲田さんが
動けなくなったら
僕が困るじゃないですか!」
というのです。
僕は、「あ……」と思いました。
つまり、違反になるならないとか、
切符を切られる切られないとか、
そういう問題ではない。
シートベルトをしていないことによって
起こり得る最大のリスクと、それによる
弊害を全力で僕にぶつけたのです。
そして、それらを淡々と即物的に
伝えたのではなく、僕への愛と信頼が
入り混じったような
それこそ
心からのお願いと言わんばかりの
切実な面持ちで
「稲田さんが動けなくなったら
困るじゃないですか!」と言うので
さすがにこれには心を動かされましたね。
それまで、誰に迷惑がかかるわけでも
ないんだから別にいいじゃん、って
思っていました。
目の前の人が、それも近しい関係の人が
困る!というからには、考えを
改めないといけないと本気で思いました。
僕は決してアウトローな人間ではなく
そこそこに法令遵守で生きていますが
「なんのためにそれをやらないと
いけないの?」「理由は?」って
いうような決まりごとに対しては
抗ったりしちゃうんですよね。
でも、内容はともあれすごくリアルに
顔の見える相手から面と向かって
懇願されると納得しちゃうんですよ。
匿名性の高い誰か(国家や社会)よりも
一人の人間の方が影響力が
強いってこともあるんですね。
……そんな気付きがあったという
報告でした。