今月も年度末にかけてフィーフィー君は一生懸命提案してくれます。
はじめて挨拶する銀行担当者に、社長に適正で有益な情報を届けてほしいので、
「今はこのような形で金融取引をさせていただいていますが、理想の調達はこうだと思っています。
すぐには無理かもしれませんか一緒に当社を支援してもらえませんか?」
と借入状況を伝えています。
で、今回の提案は「SDGs私募債」
冠にSDGsを付けた社債です。
担当者は、
「当行のHPからSDGsに取り組んでいる企業を紹介しています!」
「社債を発行している会社は財務体質が良いということですので、他行や得意先から信頼されます!」
「手数料も一括償却で節税になります!」
「社債発行記念の盾もお贈りします!」
と、一生懸命メリットを説明してくれますが、そこには社長の関心はなし。
なぜ銀行は一生懸命社債を提案するのかというと、あたまに手数料が取れるからです。
通常の証書貸付(5年借入)であれば3月に実行されても1か月分の支払予定の金利しか成績になりません。
しかし、社債は発行手数料を大きくして金利を低くしてるので成績計上が大きい。
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例で言うと、今回は1億円の社債でしたので
発行額 1億円 表面金利0.5% 手数料3.0%
1億円×手数料3.0%で成績300万円
証書貸付だと
融資額 1億円 金利1.8%
1億円×金利1.8%÷12ヵ月で成績15万円
※成績計上は金融機関によって違います。
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社債、販売したくなるよね。
金融商品は会社の繁栄と成長になくてはならないものだと思ってます。
食い下がってくる担当者に、「社長は商品の内容は必要性を感じていませんが、資金使途は何になるんですかね?」と質問したところ。
「運転資金です!」と。
「では、御行の運転資金の定義があるなら教えてくれませんか?」と質問を重ねると。
「売上債権と棚卸資産から仕入債務と棄損資産を引いたものです。。。」と教科書通りの回答をごにょごにょ。
「当社に運転資金見合いの借入はこれ以上必要ですか?」とお伝えすると黙ってしまったので商談は終了。
ちょっとかわいそうになったので、
「事業計画をお教えしますのでそれに沿った提案なら喜んで検討しますよ。」と最後に声を掛けてあげました。
提案した大量の紙の資料をまとめもせず、机に出しっぱなしで帰ってしまうようでは難しいかな。。。
「中小企業経営者のための財務勉強会」ではそんな現場で起こっている話で盛り上がってます。
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