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アップフロントフィーについて考える

さて、1日経って沸点も下がってきたので約束通りブログを書きます。

 

今回は某地方銀行との経緯ですが、お客様の時間(一部僕の)と信用を失わせてしまったことについて書かせていただきます。

 

話の始まりは1年以上前になりますが、銀行へ今後の調達支援の依頼で社長と訪問したところから始まります。

 

調達再編は難色を示されたのですが、その場で別途追加融資の提案を受けました。

その商品は返済スケジュールも金利も当時の経営の目的と合っていないため、その時はお断りしました。

 

それから1年ほど経ち担当者から社長に、金利が前回より1%下がりましたので説明させて欲しいと連絡がありました。

 

商品内容は2年間元本返済無し、更新2年、その後一括or10年返済の選択というものです。

(融資額に対してプロパー3:保証協会7)

 

社長から電話で相談をいただき、当時と経営状況が変わり資金使途的にも設備投資をする予定でしたので問題ないと思いますよと電話で回答しました。

 

しかし銀行から条件があり、現在の短期継続融資から全てこちらの商品に合算して切り替えて欲しいとの依頼がありました。

 

【現状】短期継続融資○○千万

【再編後】新規融資○○千万

 

いやいや、現状は運転資金の見合いで、短期継続融資をお借りしてるので一緒にすると将来のキャッシュフローが悪くなりますよと社長に説明をし、

 

【こちらの提案】短期継続融資○○千万+新規融資○○千万(合計は再編後と同額)

 

でお願いしました。

 

銀行からの承諾を得れましたので、社長からこれでいいよねと再び連絡があり大丈夫ですとお伝えしました。

 

そして昨日。契約時に社長から電話がかかってきて、この商品って別途手数料が発生するみたいなんだけど、どうしましょうと相談がありました。(電話に出れて良かったー)

 

アップフロントフィーと言って手数料が2%追加で掛かるということらしいです。。。

 

契約書にサインを書き進めて行った際に、付箋にて手数料○○万円と貼っていたようです。。。

 

手数料は2年間だけ掛かってますので、14で返済した場合は1%以下ですからと。。。

 

ここからは言った言わないの世界になってしまいますが、そもそも契約時まで何の書面もなく、署名をしている最中に付箋で説明って不親切ですよね。

 

社長は人徳者ですので穏やかに、ここまでやってもらいましたがちゃんと理解していなかったので今回は申し訳ないけどお断りします。

 

ただ、コロナの追加融資の枠は御行で使いますとおっしゃられたようです。

 

電話を切った後、他の金融機関から僕のところに別件で連絡があり、ねえアップフロントフィーて何なの?と聞いたところ、はあ?まだそんなことやってる銀行があるんですか。うちはもうとっくに辞めましたよと、どこですか?とびっくりしてました。

 

確かに金利と手数料の2重取りが出来ておいしいんですが、そもそも分ける必要性もないしちょっとグレーなんですよね。3月前なので数字が欲しかったんじゃないですかねと。

 

銀行の担当者が帰った後に社長から再度連絡があり、この担当者には他の金融機関で嫌な思いをした経緯も話したんだけど理解してくれなかったのかなと大変残念がってました。

 

そして、以前の僕ならそういうものだと思いサインしてました。ありがとうございますとおっしゃっていただきましたが、嬉しいい気持ちよりも僕も残念な気分になってしまいました。

 

どんな世界に利他の精神を持った素晴らしい方はいますし、そうじゃない方もいますので今回のケースだけで業界やその金融機関を悪く言うつもりはありません。

 

よく経営者の方々は「いい担当者に出会いたい」とおっしゃいますが、本来はどんな担当者がついてもこちら側で対応できるようにならないといけませんよね。

中小企業の支援って様々ですが、情報提供も立派な支援です。

 

それが社長の心の支えになり経営に専念していただければうれしいなぁ。

 

追記

 

日本政策投資銀行の金融用語のページにはこのように書かれています。

 

【アップ・フロント・フィー】

ファイナンスのアレンジメントと参加検討の対価として、貸し手金融団に支払われる手数料で、融資総額の一定比率で一括して支払われる。アレンジメントに対する対価と参加検討に対する対価の両方の側面を有すため、それぞれの機能に対応するフィーを区分して支払うケースもあるが、ファイナンスアレンジを行う金融機関が一括の手数料として受け取り、シンジケート・ローンにおける参加銀行にも一定比率で配分するケースが一般的。

 

専門用語が多すぎ。。。

 

簡単に直すと、複数銀行での融資の調整に対する手数料で融資の総額に対して比例配分されます。総まとめする銀行が手数料をお客さまからいただき協調融資を行った銀行に配分する。

 

手間賃ですね。

 

複数銀行で融資を行うシンジケート・ローンなどの大型の融資案件などはアップフロントフィーが発生するのは理解できますが、一行融資で手数料を取るということはいただけませんね。

 

低金利時代ですので金利競争が激化していて、金利は低いが代わりに手数料をいただくことで煙幕にまいたような手法?とも考えられます。

 

原価が上がり飲食店が値上げやポーションを小さくするのとはちょっと違う気がします。

 

銀行独自で貸し出すプロパー融資、保証協会と連携する保証付き融資、更に国や自治体の制度を使ったオリジナルの融資など銀行担当者もよく調べなければ分からないほどたくさんあります。

 

その会社に合った適切な融資を提案してくれる担当者に出会えることを祈るのみではなく、会社側も最低限の知識を持っておいていただいたいと思ってます。

 

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