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「ローマは一日にして成らず」、組織も然り

会社って、つくづく
「組織」なんだなと思います。

つまり、会社は社長という一人の
人間の拡張版ではなく、多くの
社員の目、社員の声が集まった
集合体というべきでしょうか。

能力もそれぞれ、考え方もそれぞれ。
まさに生物多様性ですね。

僕は多くの会社を見てきましたが
会社が組織である以上、やはり
大切になってくるのは
システムや、システムをまわす
オペレーションなんだなと
実感しています。

もちろんシステムの中心には
人(社員)がいるのですが、
そのことの重要性に気付いていない
社長が多くいることも事実。

ついつい売上を立てることを優先して
システムとそれをオペレーションする
社員そのものを育てることを
後回しにしてしまうんですよ。

ある会社の話をしますね。
その会社には古参の
経理の女性がいました。

口うるさく融通が効かないので
後輩社員はもとより社長すらも
彼女の存在を煙たがっていたのですが
裏を返せば真面目できっちりと仕事を
していたってことですよね。

そしてある時、その経理の女性が
辞めることになったのですが、辞めた後で
彼女のありがたさに皆が気付いたそうです。

まず、後輩の経理の社員が素晴らしく
仕事ができる人に育っていること。
それからお金周りに関しての社内秩序が
すっかりできあがっていること。

これは彼女の功績ですよね。つまり
彼女自身が生きたシステムだったわけです。

実は僕にも似たような経験があります。
昔、カポエイラを習っていた時に
やたら規律に厳しい先輩がいました。

その先輩は失礼ながらカポエイラの
技術はそれほど高くなかったのですが
先生に対する礼節やコミュニティ内の
ルールなど、カポエイラの技術向上とは
違ったアプローチで、コミュニティに
貢献していました。

当時の僕は若かったので「うるさいなぁ」って
思っていたのですが、今思うと
そのコミュニティが大きく育ったのは
彼のような「嫌われ役」がいたからだと思います。

そもそも、人材の流動性が激しい昨今で
彼ら彼女らが長年組織に留まってくれたのは
ありがたい話ですよね。

それも華々しい部署でははく、
裏方的なポジションで
組織に対して当事者意識を
持ってくれたことは本当にありがたい。

今はAIの発達で人が介在しないシステムが
たくさんありますが、社内の
ちょっとした違和感や
社員の心の機微までは
AIにはわかりません。

組織には適切なシステムと、それを
オペレーションする人が必要で
そこを疎かにすると、いくら売上があっても
やがて空中分解するのでは。

人を育てるのは正直大変です。
時間もかかります。

でも、「ローマは一日にして成らず」と
言うように、強い組織は
一朝一夕でつくられるものでは
ありません。

会社に必要なのは優秀なシステムではなく、
当事者意識を持って会社のことを
考えてくれる“人”なのでは。